林 倭衛    はやししずえ 
 1895~1945年 長野県上田市生まれ。幼少期に家の没落と一家離散を経験。15歳で上京し、印刷会社で働きながら夜学で絵画を学んだ。
 画家を志した青年時代からアナーキストや社会主義者と深い交友関係にあり、その一方で画才を発揮している。倭衛の画風は一時セザンヌに接近したことから、セザンヌ風となった。
 昭和20年、積年の酒癖がたたり無念の死を迎えた。享年49歳。異端の天才。詩人、小説家、ジャーナリストなど多くの人びとから愛され、そ の死がおしまれた。詩的で清明な色彩の作品を多く残したが、死後3ヶ月足らずで東京大空襲のため約50点の晩年作が灰塵に帰した。
 
「海の入日」油彩6号 最晩年の作品