田辺 至 1886~1968年

 

20代から俊才として文展、帝展で活躍する。31歳で東京美術学校の助教授に就任するなど洋画界を代表する画家。大正11年~13年に渡欧し多くの傑作を遺している。この作品は帰国の年にベニスで制作された。重厚なタッチで教会の正面玄関など建物の重々しい存在感が描かれていて秀逸である。右下の尼僧の黒のアクセントが画面全体を引き締めている。

 
「ベニス」油彩・ボード・F5号